2025/05/22

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『射鵰英雄伝』を英訳のスウェーデン女性、「江南七怪」がお気に入り

2017/11/27
1985年生まれのスウェーデン人女性、郝玉青(Anna Holmwood)さん(写真)が武侠小説の『射鵰英雄伝』を英訳、イギリスの出版社が来年から三部作を次々に出版するという。(Anna Holmwoodのフェイスブックより、中央社)
イギリスの公共放送BBC(英国放送協会)の中国語ウェブサイトが25日に報じたところによると、1985年生まれのスウェーデン人女性、郝玉青(Anna Holmwood)さんは武侠小説の『射鵰英雄伝』を英訳、同小説が「中国版『ロード・オブ・ザ・リング』」と呼ばれるようにするため、5年間費やして出版を請け負うイギリスの出版社を見つけ出した。
 
イギリス・ロンドンのMacLehose Press社は来年、『射鵰』三部作の英語版の出版を始める。一部4巻で合計12巻。第一部である『射鵰英雄伝(Legend of the Condor Heroes)』の第1巻、『英雄誕生(Hero Born)』は2月に発売される予定で、第二部は『神鵰侠侶』、第三部は『倚天屠龍記』となる。
 
『射鵰』シリーズは香港の小説家、金庸氏が60年あまり前に生み出した武侠小説。翻訳する者がいなかったため英語の世界ではほとんど知られていなかった。翻訳者がいない理由は、文化的内容が深く、言葉が独特なことで、誰も翻訳に挑もうとしなかったから。中国語が流暢なAnna Holmwoodさんは、「自分は知らないから恐れることもなかった。最初は金庸の小説を翻訳するのがこんなに大変だとは思わなかった。始めてから後にひけなくなった」と話す。
 
Anna Holmwoodさんはスウェーデンで生まれ育ち、イギリスのオックスフォード大学と台湾で、中国語の会話だけでなく文語文も学んだ。また、中国大陸でも数年生活し、働いた経験を持ち、今では台湾の人と結婚している。中国語を学ぶ中で、友人の強い勧めで読み始めた金庸の小説に「はまり」、たちまち金庸ファンになったのだという。
 
「金庸体」と呼ばれる独特のスタイルは「文語文と会話文が半々」。漢詩や四字成語の由来がしばしば挿入されることで、翻訳が困難なことは広く知られている。特に難しいとされた多種多様な武芸の技について、Anna HolmwoodさんはBBCの取材に対し、技の名前を翻訳するのはそれほど困難ではなく、難しいのは戦いを流暢に表現し、ぎごちない文章にしないことだと説明している。翻訳する時、Anna Holmwoodさんは家の中で技を身振り手振りで再現してみる。自分で体験してみてはじめて、「たたき切る」のか「スパッと切る」のかを確認できるのだという。
 
「江南七怪」は『射鵰英雄伝』の主人公、郭靖が武芸を学ぶ最初の師匠で、Anna Holmwoodさんが最も愛するキャラクター。彼女は、この「Seven Freaks」と翻訳されている7人について、「滑稽でとても面白い。外見は褒められたものではなく、いろいろな問題がある連中だが、義に厚く善良なのだ」と話している。
 
金庸氏の武侠小説は世界の華人社会で極めて人気が高いが、15作品のうち英語に訳されているのは『書剣恩仇録』、『雪山飛狐』、『鹿鼎記』のみだという。
 

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